マリアビートル 伊坂幸太郎

お久しぶりです。もっさんです。
今回紹介させていただくのはゴールデンスランバー以来3年ぶりの書き下ろし長編という(本帯より)
伊坂幸太郎さんのマリアビートル。

マリアビートル

マリアビートル

舞台は東北新幹線。息子に重傷を負わせた中学生・王子に復讐しようと元殺し屋・木村が彼を追って新幹線に乗り込むところから物語は始まります。そしてその車内には人質と金を護送する2人の殺し屋、蜜柑と蜂蜜、そしてその金のはいったトランクを盗むよう指示される殺し屋、七尾。彼らがそれぞれの目的を果たそうとするとき次々とアクシデントが起きる....
読み終わった後率直に思ったのは
これぞ伊坂幸太郎だ! 
ってことです。
彼はゴールデンスランバー以降の作品を第2期作品と位置付けているそうなんですが(あるキングやバイバイ、ブラックバードなど)
今回の作品は伊坂幸太郎さんのファンが彼にほれこんだ要素の1つであろうあの「伏線を多く張って終盤に回収していく」というところを存分に楽しむことができます。グラスホッパーの続編ともいえるこの作品ですがこの一冊に伊坂幸太郎のエンターテイメント性が凝縮されているような印象を受けました。
先に書いた登場人物を見ていただければわかるように設定はかなり物騒です。王子っていう中学生には本気で腹立ちます。そして王子に騙されてしまう大人には情けなくなります。蜜柑と蜂蜜の関係性はなんだかほのぼのします。七尾にはしっかりしろっていいたくなります。ついでに物騒な人物設定ですがいつのまにか楽しんでいる自分と出会えます
本作品は一応グラスホッパーという作品の続編といわれていますがもちろん読んでなくても楽しめます。
しかし伊坂ワールドは作品でつながっています。もちろんグラスホッパーとマリアビートルは前者を読んだ人にしかわからないつながりが存在しています。なので両方読むことをおすすめします(笑)
本作品が伊坂デビューとなる方も元々どっぷり伊坂ワールドにハマっている方も楽しめます、絶対。